編み込む日常

30代半ばでシングルマザーになりました

元夫と、娘と、私の今の関係。脳内裁ちばさみの話。

離婚をして元家族の中では一番幸せな人間となった私だけれど、そこにある2つの条件を守ることがその幸せをキープしている。

二つの条件とは、

一つ目は、好きな人(娘)と一緒にいることができることで、二つ目は、好きじゃない人(元夫)と関わらなくていいということだ。

 

特に二つ目の元夫と関わらないということには、なかなか至ることができなかった。

お世話になった人とは少なからず、良好な関係を築かなければいけないという強迫観念があった。

それに、一旦家族という関係になり、距離感をうまく図ることができなくなっていた。

 

 

結婚中はもちろん、離婚するまでのやりとりでも、離婚してからでも、元夫と関わることがあると、とにかく何もかも、全て、一筋縄では行かなかった。

その度にメンタルがひどく削られる。

機嫌よく過ごす母でいることが私のシングルマザーの使命であるのに、毎回落ち込んでしまう。

離婚までして距離をとったのに、なんでこんなにかき乱されなければいけないのか!!

いつも腹が立っていた。

関わるたびに暗い顔をしてイライラしていた。

こんなことでは娘の母親として最悪だし、何より自分が嫌になる。

 

そこで、

「そうだ、もう一切関わるのをやめよう。」

と決めた。

 

確かに一度は家族としてお世話になりお互い様なところがあったとは思うけれど、もう、この人と関わるのはいっさいやめよう。

そうすることが、私にも、娘にも、最善であることは明白。

私と元夫という個人的な関係は、ゼロにすることに決めた。

脳内で、母から譲り受けた鋭利で重たい裁ちばさみを使ってジョリジョリと繋がりを切断した。

 

過去はともあれ、2人の関係は今後、無である。

とは言っても娘と父親の関係は、私とは切り離して考える。

私は娘が自分で発信できるようになるまでの、メディアでいることに決めた。

娘と父親の間をつなぐメディア。

メディアに意思はなし。ただの電波でありツールであり橋である。

 

一度ルールを決めてしまえば、あとは徹底して定着させるのみ。

良好な関係を築きたいらしい元夫から連絡が入ることがあるけれど、裁ちばさみでジョキ。

困ったことがあったらしくヘルプを求められたことがあり良心が多少痛むが、裁ちばさみの出番。

とはいえそれは簡単ではなかった。

ネガティブなものを向けられた時に跳ね除けることは難しくないが、厄介なのは、優しさや庇護がこちらに向けられているように見える時だ。

その度にぐらんぐらん揺れていたけれど、そういう場合でさえ、いつも結果は同じだということを嫌という程経験していたはずだ。

優しさや庇護の皮を被って、結局のところ元夫は自分の都合のいいように物事を運ぼうとしている。

私の迷いに、脳内裁ちばさみがジョキジョキと刃を鳴らして決断を待っている。

迷った時の強い味方がいてくれてよかった。

 

 

ルールに沿って行動していると、流石に元夫も気がついたらしい。

私たちの関係は限りなくゼロに近くなり、同時に平穏がやってきた。

 

そうして私は元家族一の幸せ者となった。

もう元夫と関わることはない。情がなくもないが、もう知ったこっちゃない。

私の脳内裁ちばさみが私の平穏を守っているのだ。