0619_webデザイナーを諦めた話
金曜日だった。
フリーランスになり、1人で子育てするようになって、子育ても仕事も常に身の回りにあるので、週末は休めるという感覚がなくなった。同時にあと何日で週末だ!というような楽しみをカウントダウンすることもなくなった。
花の金曜日も相変わらず娘と一緒に21時に早寝する。すると変な時間に目が覚めてしまった。もう一度眠れそうにないので、仕方なく起き上がり本でも読もうかと本棚に向かった。
本棚を漁っていたら、2年前に買った「史上最強の人生戦略マニュアル」を見つけた。当時のメモが挟まっている。懐かしい。
2年前に計画した人生戦略は、半分はその通りになっていて、半分は全くその通りではなかった。それは残念なことではなく、当時からほとんど予想できていた。
離婚してから自立しなければいけないと思った時、全くの世間知らずだった私は、たくさん広告に出てくるwebデザイナーを目指した。
子どもが横にいて、パソコンに向かう女性の写真に「在宅でも稼げるママに!」という文字に「これだ!」とすっかりその気になって、一通り勉強をした。
プログラミングもデザインも勉強したけれど、途中から気がついていたのだ。
「これ、あんまり好きになれない。」
プログラミングスクールにはお金を払っていたし、デザイン関連の本も結構買ったし、その思いは見て見ぬ振りをしていた。
なので、当時の人生戦略には「webデザイナーになる」と書いてある。
2年前の戦略を立てていた時をよく覚えている。
将来の理想の状態を想像するときに、すっかりwebデザイナーのことを忘れていたのだ。
書き出せば書き出すほど、デザイナーではないこと(結局いまの仕事)ばかり具体的に出てくる。
そして、「はっ!私はwebデザイナーになって稼ぐんだった!」と思い出し慌てて書き添えた。
でも具体的な将来像が全然出てこなかった。
メモには「webデザイナーになって●●万稼ぐ」という漠然とした文字だけ並んでいる。
2年後●●万。5年後●●万。
ははは!今見ると笑ってしまう。
結局この2年の間にいくつかのwebデザイナーの資格をとり、求人に応募もしたけれど、決まることはなかった。そして今仕事にしている方が次第に忙しくなっていった。
一方今仕事にしている方は、いくつか壁はあったものの、当時の理想よりも少し先を行くことができている。
当時のメモに書かれているもう一つの文「自分に嘘をつかない」。
結局これを実行したことになる。
あの頃は自分に正直になることが苦手だった。
離婚してから、ずっと自分に嘘をつかないこと、正直になることを訓練だと思って暮らしている。
まだまだ訓練の途中で、今でももっと自分に正直になることができる余白があると思う。でもカメのような歩みではあるものの、少しは心の正直筋が鍛えられてきたような気がする。
webデザイナーの勉強はそれでも全く無駄だったわけではない。IT関連に疎かった私にはリテラシーを高めることに役立った。
何をやるにもITをツールとして使うことができるし、デザイン的な視点は何にでも取り入れることができる。
就職できなかったからといって、報酬をもらえなかったからといって、無駄だったわけではない。
今日の夜、また改めて人生戦略を立ててみようかな。